突然ですが、こんな経験はありませんか?
テレビ番組の最も盛り上がるシーンで、突然CMに入ってしまう…
連続ドラマがいいところで終わり、「続きは次週!」と焦らされる…
映画の予告編が、一番知りたい核心部分を隠したまま終わってしまう…
私たちは「またか!」と思いながらも、まんまとその戦略にハマり、続きが気になって仕方なくなりますよね。
実はこれ、制作者が感覚的に行っているのではなく、人の心理を巧みに利用した、ある法則に基づいているのです。
今回は、ビジネスからプライベートまで、あらゆる場面で相手の心をグッと掴む**「興味づけの法則」**とその具体的なテクニックについて、特別にお話しします。
人が何かに興味を持つとき、その根底には「知りたい」「見たい」「理解したい」という根源的な欲求が存在します。しかし、この欲求は「未知」や「不完全」な状態があって初めて生まれるものです。
例えば、結末が完全にわかっているミステリー小説を、わざわざ読みたいと思う人は少ないでしょう。答えが最初から提示されていては、「知りたい」という気持ちが生まれる余地がないからです。
テレビやドラマの制作者は、この心理を熟知しています。
彼らは、視聴者が最も知りたいであろう「核心」や「答え」をあえて隠し、情報を断片的に見せることで、「え、この後どうなるの!?」という強烈な好奇心を掻き立てるのです。
これは心理学でいう「ツァイガルニク効果」(人は完了した事柄よりも、未完了の事柄のほうを強く記憶する傾向がある)にも通じる現象です。
つまり、「興味づけ」とは、あえて“未完了”な状態を作り出し、相手の「知りたい」という感情を意図的に刺激すること。これが「興味づけの法則」の正体です。
では、具体的にどうすれば、相手にネタバレをすることなく興味を持たせることができるのでしょうか?
その答えが、今回ご紹介する最強のテクニック「ブラックボックス」です。
ブラックボックスとは、ご存知の通り「中身が見えない箱」のこと。このテクニックは、その名の通り、伝えたいことの“核心”をあえて隠し、相手の想像力と好奇心を刺激する手法を指します。
重要なのは、ただ隠すのではありません。
「何を見せ、何を隠すのか」を戦略的に考えることです。
相手の興味の“フック”となる魅力的なヒント(周辺情報)は見せつつ、最も知りたいであろう答え(核心情報)は箱の中に隠しておく。この「見せる情報」と「隠す情報」の絶妙なバランスが、相手の「その箱の中身が見たい!」という強烈な欲求を引き出すのです。
言葉で説明するだけでは、少し分かりにくいかもしれませんね。
ここで、具体的な例を見ながら「ブラックボックス・テクニック」の効果を体感してみましょう。
ある「はちみつ」を販売したいと考えます。
【Before】普通の伝え方
「健康、美容、疲労回復に効果がある“はちみつ”を、今なら10%OFFでお試しいただけます。いかがですか?」
…いかがでしょうか。
非常に親切で分かりやすい説明ですが、はちみつに元々興味がない人には響きにくいかもしれません。「売り込みだな」と感じて、話を聞く前に心を閉ざしてしまう可能性もあります。すべての情報が見えているため、好奇心が生まれる隙がありません。
では次に、ブラックボックス・テクニックを使ってみましょう。
【After】ブラックボックスを使った伝え方
「最近、多くの一流アスリートや美意識の高い芸能人の間で、ある“スーパーフード”が密かに流行しているのをご存知ですか?」
…どうでしょう。
この一言で、相手の頭の中にはたくさんの「?」が浮かびます。
スーパーフードって何だろう?
アスリートや芸能人が使っているなら、すごいものに違いない。
一体どんな効果があるんだろう?
「はちみつ」という答えを隠し、「一流アスリートや芸能人が愛用」「スーパーフード」という魅力的なヒントだけを見せることで、相手は自ら「その答えが知りたい!」という状態になります。
この状態を作ってから、「実はそれ、〇〇という特別な“はちみつ”なんです」と答えを明かすことで、相手は前のめりになってあなたの話を聞いてくれるでしょう。
このテクニックは、プレゼンやセールス、企画提案はもちろん、日常の雑談やSNSの投稿など、あらゆるコミュニケーションに応用できます。
「この新機能を使えば、業務効率が30%アップします」
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「多くの部署が悩んでいる“あの作業”の時間を、ほぼゼロにした方法があります」
このように、少しだけ表現を変えるだけで、相手の食いつきは劇的に変わるのです。
今回は、相手の心を惹きつける「興味づけの法則」と、その具体的な実践テクニック「ブラックボックス」についてお伝えしました。
【ポイント】
人は「未完了」なものに強く惹かれる(興味づけの法則)
核心を隠し、ヒントを見せることで好奇心を刺激する(ブラックボックス)
「何を隠し、何を見せるか」を戦略的に考えることが重要
いきなり完璧に使いこなす必要はありません。
まずは次回の会議や友人との会話で、「あえて“答え”を少しだけ隠してみる」ということを意識してみてください。きっと、相手の反応が今までと少し違うことに気づくはずです。
あなたの言葉に、ほんの少しの「ブラックボックス」という魔法をかけるだけで、世界はもっと面白くなります。
いかがでしたでしょうか?
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